
"純国産ジーンズ"であること
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数年前...CONTRABANDをスタートする前のこと。
デニムの縫製というものについてより理解を深めるべく、デニムの産地である岡山県井原市へ移住、武者修行として自身でもミシンを踏みながら現地の工場を回ってきました。
初めて縫製工場を訪ねたのはもう20年以上も前になるでしょうか。
当時から、縫製工場の現場には高齢の作業者の方も多い中、若かりし僕が現場で挨拶をすると、皆笑顔でとても気持ちの良い挨拶を返してくださったものです。
しかし、最近は縫い場に入って挨拶をすれども、声さえ返ってこない工場も増えてきました。
昔、元気にミシンを踏んでいたおばちゃん達の姿はなく、縫い場を見回しても大半が海外から来た技術実習生で、言葉も通じません。
「メイドインジャパン」といえども、日本の国内で作っているだけで、縫っているのは大半が海外実習生...
あえて書かせていただきますが、これが縫製工場の実情です。
縫製工場の海外実習生は3年間の技術研修を終えると母国に戻ります。(延長しても5年)
せっかく学んだ技術やノウハウも、その地に残ることはないのです。
こうした現状を目の当たりにしてきた僕は、「このままでは日本の技術者はいなくなってしまうのではないか」と強い危機感を感じたのを憶えています。
長年の経験とノウハウを持つ技術者は、もう高齢で次々に引退。
しかし、その技術を継承する日本人は残らない。
この流れはもう止めることはできないのかもしれません。
「本当にこれでいいのか?これがメイドインジャパンといえるのだろうか?」
強い疑問と不安を感じていた僕は、「日本のモノ作り」を求めて、たくさんの工場を回りました。
そんな中、ご縁をいただいたひとつの縫製工場があります。
そこでは、日本の技術者を育てるために、あえて海外実習生を受け入れず、日本人スタッフだけでモノ作りを続けています。
国内の縫製業界の将来を見据え、真のメイドインジャパンを後世に残していこうと奮闘する縫製工場に深く共感した僕は、「自分のジーンズ作りは生涯この工場と共にしよう」と心に決めました。
このご時世、日本人だけで縫製工場を運営するなど本当に大変なことだと思います。
しかし、製品に対しての繊細な感性、ひとつひとつの工程、一針に込める丁寧さと、見えない部分にまで配慮したモノ作り。
より良い製品を作るために、現場で作業者とコミュニケーションをとりながら、細かい部分で何度も意見を交える...
「工場と一緒にモノ作りをしている」という感覚。
そうしてひとつの物を一緒に作り上げていくからこそ、工場、職人さんとの信頼関係が生まれ、結果、良い製品が生まれるのではないでしょうか。
CONTRABANDでは「純国産ジーンズ」をひとつのコンセプトに掲げています。
身に付ける人を思い浮かべながら、工場と二人三脚で行うモノ作り。
それがCONTRABANDの考える「真のメイドインジャパン」です。
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